不本意ながらカシオQV3500EX直焦点改造

「デジカメコリメートアイピースを考える」で実験した結果、コリメート撮影時のケラレと周辺像の流れ(非点収差?)を克服できる目途がついたので、コリメート撮影用に比較的F値の明るい中古QV-3500EXを購入しました。天体用には赤外カット外しは必須ですから苦労してフィルターを外したところまで良かったのですが、望遠鏡に取り付けコリメート試写を行っている途中レンズが出たり入ったりしているようで様子がおかしくなりました。あわててスイッチをオフしたのですが電源が切れません。緑のランプが長い間点滅していましたが1分半ほど経ったでしょうかやっとオフになりました。この時なにやら異臭が・・・いやな予感です。 望遠鏡から外して恐る恐る再度パワーオン・・・???明るいところでもモニターに何も写りません。というより通常はレンズが出てきて撮影準備完了となるのですがレンズが動きません。当然ズームもききません。いやな予感が的中、やってしまった!(冷や汗)
気を取り直しいろいろさわっていると、設定とか撮影済みの再生はできるようでしたので赤外フィルターを外したときの後遺症なのか・・・ もう一度分解することになりました。しかしこれ以降何度かトライするも回復することはありませんでした。

不幸中の幸いというか60秒設定でシャッターを押すと一応撮影している様子で緑のインジケーターランプも点滅するしノイズリダクションも正常動作しているようなので再生画像を見ると星状ノイズが現れました。これはシャッターが開かないのとレンズが動かないだけで(これが致命傷ですが)CCDの撮影機能はとしては生きていると確信し、このQVの生き残る道はもはや直焦点しかないと自分に言い聞かせ不本意ながらレンズを取り外す改造に踏み切ることになったのです。

開腹手術
外から留まっているネジを全部外し、前面と背面のカバーを注意しながら分離すると液晶の乗った基板が現れます(内部はぎっちり詰まっていて大変。最初はワイヤが繋がっているため下の写真のように完全に分離できません)。液晶と基板を外すとレンズアッセンブリーにアクセスできるようになります。このレンズアッセンブリーは本体に3箇所のネジでとまっていますが光学ファインダーとも連動しておりこれも外さないと外れません。
←レンスを取り外した状態です。動作チェックは完全に再組するまで出来ませんのでコネクターなど細心の注意をもって接続しないとまた最初からやり直しになります。最初はレンズアッセンブリーを取り外すと初期チェックに引っかかって撮影準備完了にならないかと思いましたが心配無用でした。
さて、レンズアッセンブリーを取り外した状態ではCCDを取り付ける場所がありません。CCDはレンズアッセンブリーに固定するようになっているためです。取り外したレンズアッセンブリーを分解して(安易に分解すると元に戻すのに大変な苦労を強いられます。まるでチエノワのよう)一番外側の筒だけ利用すると固定できるのですが一眼レフカメラレンズの使用も考えるとフランジバックが長すぎるのと少しでも空冷効果を期待してCCDを外に引き出してQV-8000SX改同様Cマウントに取り付けることにしました。CCDのフィルムケーブルは短いので取り付け場所の自由度はあまりありません。
結局写真のように本体底部に穴を開けここからCCDを引き出し、アルミアングルでCマウントを本体カバーに固定しています。Cマウント(♀)にはQV-8000SX改同様ノイズリダクション用の電磁シャッターを組み込んでいます。ケーブル類が剥き出しで見栄えが悪いので本来はカバーで覆いたいところですが空冷効果を妨げないようにそのままにしています。

望遠鏡への取り付け
望遠鏡への取り付けはQV-8000SX改で使っていた改造Tリング(C-T変換)をそのまま使っています。Tリングは二重構造になっていて内側のリングを望遠鏡側に着けておくとカメラの脱着がとても便利です。写真右側が望遠鏡に取り付けた様子で、実際の撮影ではインターバルタイマーを使い撮影しています。電磁シャッターもこれでコントロールしています。

フランジバックはCSマウントに合わせてありますので市販のCS VIDEO レンズ、CS-C変換リングを併用することでCマウントレンズ、更にケンコーから販売されているCマウントアダプターを使うと一眼レフカメラレンズの使用も可能になります。

こんな馬鹿なことする人いないと思いますが改造を試みる方、再起不能のリスク多大です、覚悟の上どうぞ!

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