デジカメコリメート用アイピースを考える

今までデジカメでコリメート撮影するとき、コリメート用アイピースの選定はあまり気にしないで適当に使ってきましたが、ワイド端使用時の周辺部の星像劣化やケラレは当然発生するものとあきらめていました。惑星などは中心部だけしか写らないのでこれで十分だし、星野は劣化した部分はトリミングで切り取れば良いので問題ないと考えてきました。しかし、切り取って捨てた部分は全画素面積の50%にも及ぶことが少なくありません。これはデジカメCCDの有効画素の半分しか使っていないことになります。そこで、なぜケラレが発生するのかどこでケラレているのかコリメートアイピースの条件とは何かを調べてみました。とりあえず手持ちアイピースの写野を検証することにします。
登場願ったアイピース群です。

まずは実写から。(コリメートのため上下左右反対に写っています)
カメラ:NIKON COOLPIX4500(WIDE端) 望遠鏡:PENTAX 75EDHF カメラアダプター:OASIS(ボーグ)SD-1 アイピースの見口は外せるものは全て外しなるべくカメラレンズとの距離が短くなるように取付けています。 天候:曇り春霞のためコントラスト不良

LA5.8(KYOEI)
見かけ視界45°
アイレリーフ20mm
PL32(NO BRAND)
見かけ視界50°
アイレリーフ27mm (実測) 
LV20(VIXEN)
見かけ視界50°
アイレリーフ20mm
LV12(VIXEN)
見かけ視界50°
アイレリーフ20mm
PL26(VIXEN)
見かけ視界50°
アイレリーフ20mm (実測)

COOLPIX4500(WIDE端)の35mm換算焦点距離は38mmですから写野は対角60度程です。LA5.8は見かけ視界45°他は50°ですからそれなりの写野となっているようです。PL26(VIXEN)は年代ものなのですが像質は別にしてLVと互角に戦っています。(LA5.8はちょっと光軸がずれました)

下の写真はコリメートではあまり使っていないアイピースですが参考のために。上段がWIDE端(7.8mm)、下段が4倍ズーム時テレ端(32mm)です。(LVW17を除く)

LVW17(VIXEN)
見かけ視界65°
アイレリーフ20mm
SWK22(OASIS)
見かけ視界70°
アイレリーフ6mm (実測) 
T字の影は十字線の残骸
WO13.5(OASIS)
見かけ視界64°
アイレリーフ4.5mm(実測)
XP24(PENTAX)
見かけ視界45°(推測)
アイレリーフ1mm (実測)
24.5スリーブ
OR5(TAKAHASHI)
見かけ視界40°(推測)
アイレリーフ構造上測定不能?   24.5スリーブ

LVW17以外はワイド端ではご覧のように使い物になりません。テレ端ではそれなりに使えそうですがまだ使ったことがありません。高橋OR5は背が低くSD-1を最短に縮めてもカメラレンズとの距離が開いてしまうのでこの距離を詰められればテレ端でのケラレはもう少し緩和されるでしょう。
LVW17は太くてカメラアダプターSD-1に入りませんので28mm変換AD(NIKON用[7401])のみを使用して他のアイピースと撮影条件を合わせています。このとき左上写真のような写り方となってLVシリーズより写野は狭くなっています。アイレリーフはLVシリーズと同じだし見かけ視界は65度もあるのだからこんなはずは無いと思いNIKON変換ADを外してカメラレンズをアイピースに極力近づけて手持ちで撮影したのが左下の写真です。これだとケラレはまったく無く周辺部もほとんど崩れる事なく申し分ありません。
LVWシリーズは最終レンズ(目レンズ)が約4.5mm奥まったところに付いているのでNIKON変換ADの厚み3mmとでカメラレンズとの距離は最低7.5mm離れてしまいます。アダプターの工夫が必要となります。

  次頁につづく・・・・

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