SONY NEX 周辺

以前からコンパクトデジカメでレンズ交換ができれば良いのにと思っていた。理由はミラーショックはないしライブビューでピント確認も楽だし小型軽量で天体写真には都合が良いからだが、その答えがここ数年出現したミラーレス一眼だった。しかしまともにバルブが使える機種が少なかった中でSony NEXは機能はデジタル一眼レフ、大きさ重さはコンパクトデジカメといったカメラで星景ナップから直焦点までこなせそうということで最近になって中古で安くなったNEX-5を手に入れた。

ソニーNEX系EマウントはAPS-Cサイズの中ではフランジバック18mmという驚異的短さを誇っている。それ故各社の多様なレンズをマウント変換アダプターを介して使用可能となっている。
NETで調べてみるとなるほどNEX対応のアダプターが多いのに驚かされる。

工房主は近年、CANON EOS系を使っているのでNEXでも当然EOSレンズを使いたくなる。
NETでEOS-NEXアダプターを検索すると写真でははぼ同じように見えるのだが価格はバラバラで2倍から3倍の差がある。絞り羽付きが高いのは分かるが付いていないものでも2倍の価格差がある。当然一番安いものを購入する訳だが・・・。

送られてきたものは怪しいメーカー(中国製?)品だが工作状態、材質、塗装、手触りなど、見た目には全く問題なくこれでは国産メーカーが伸び悩むのも無理もないと思ってしまう。
余談はさておき、手持ちレンズを試してみると、なんと!レンズによっては無限遠が出ないのだ。特にマニアルレンズだと∞に合わせてもピントが甘くあと一歩届かずといった感じ。アダプターのフランジバック(厚み)を測ると26,0mmでなければならないのに26,2mmある。たった0,2mmだが超広角レンズや無限遠の点像を要求される星の世界では許容範囲外だ。調べてみると無限遠が出ないアダプターは結構あるらしい。価格が2倍、3倍するものはこのようなことはないのだろうか?

やはり安物買いのなんとかとはよく言ったもんだ。でもここで引き下がっては工房の名がすたる。
と、いうことでこのマウントアダプターの修正を試みる。

EOSマウントリングは本体のダイキャストから4本のネジを外すと外れる。アダプターのEOSマウント取り付け面を0,2mm削れば良いのだが工作機械を持たない素人工作ではヤスリでゴリゴリやっては精度が保てないのでグラインダー砥石と紙ヤスリで丁寧に削る。 というより研磨する感じだ。アダプターを回転させながらひたすら均一に削る。ノギスで測っては削り測っては削るを繰り返し-0,2mmを得るのに小一時間ほどかかった。

何回かレンズを着けて無限遠を確認しながら気持ちオーバー目に研磨した。結果、アダプターのフランジバックは26.0-2/100mmで手を打った。

これでめでたくEOS用レンズがNEX-5でも使えるようになった。一挙に4本+αが楽しめる。


しかし望遠や広角ズームを着けるとまるでレンズに小型フィルムバックを着けているようでバランスが悪くNEXボディーに三脚を固定するのでは不安が多い。これはNEXに始まったことではないがかつてからEOSボディーでも重いレンズは三脚座が欲しい。

ついでなのでアダプター内にフィルターを装着できるように細工する。
以前からEOSを天体望遠鏡に接続するTマウントアダプター内にはフィルターを装着できるようにしていた。塩ビ管を利用してフィルター枠をアダプター内で保持するだけの簡単なものだが結構重宝していた。しかし写真レンズではこれが使えないという弱点があった。
VU40の塩ビ管とその継手で短いリングを作りNEXアダプター内に接着固定する。VU40の継手内径(=VU40外径)は48mmなので47mmの自作フィルター枠はすっぽり収まりスポンジ状ゴム片の弾力によって保持される。フィルターの脱着はフィルターに付けた突起(小ネジの頭)を摘んで行う。

写真左:NEXアダプター分解図(EOSリング、アダプター本体、塩ビリング)、写真中:フィルター装着、写真右:EOS-NEXマウント、自作フィルター枠、Tマウント
これでEOSよりNEXの方が自由度が格段に高くなった。特に写真レンズごとに違う径のフィルターを用意しなくてもすむ喜びは大きい。


NEXのリモコンだが純正品はボタンが沢山付いている割にはカメラで使えるのはシャッターを切ることだけらしい。ならばとまたNETを検索すると怪しい3rd partyのリモコンが沢山UPされている。価格は数百円と安いのだがこれまた見た目同じで2,3倍の価格差で存在する。どうも安いものはバラつきがあって当たり外れがあるらしいが定かではない。

上のマウントアダプターと同時に購入したものは最安ではないが安値の部類だと思う。でもこれは全く問題なく動作した。

で、本題はインターバルタイマーを使えるようにすることだ。
リモコン表面のフィルム面をカッターの刃を入れて剥がすと押しボタンの導電パターンを印刷した基板が現れる。シャッターボタンに対応する基板裏側のパターンからケーブルを引き出し2,5mmイヤホンジャックのメス側を付ければ完成。
 

バルブのインターバルタイマーを実現するためにPC版インターバルタイマーではNikon Irに設定すれば可能だが市販のインターバルタイマーや以前自作のハードウエアタイマー(これとかこれ)に対応するため簡単なアダプターを作った。これはEOSの時のようにバルブ時クローズ接点を保持するだけではNEXリモコンでは不都合で露出の開始時と終了時のみLEDが光るように変換するものだ。
 回路はインターバルタイマー(その1)で使ったXORの立ち上がり立下り検出回路を使った。

とりあえず汎用的にリモコンとインターバルタイマーの間に入れる形で作ってみたがこれは赤外線リモコン側かインターバルタイマー側かに統合して電源を統一したほうがベターではないかと思う。


2012/7記

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