インターバルタイマー  (IntTimer )

これはパソコンのUSB又はプリンターポートを使ったパソコン制御のカメラシャッターリモートコントロールです。これはstarcampさんの画像掲示板で紹介されていたもので、面白そうなのでソフトの勉強を兼ねて製作したものです。

特徴はオリオン星雲M42などの撮影で星雲のハイライト部から微光部まで表現するために露出をずらして撮った画像を合成して滑らかな階調を得る手段がありますが、これを自動で撮影するのに有効です。その他光学系の種類などによって色々な露出時間をセットしておけば次回からチェックを入れるだけで撮影できます。天体撮影を目的にカメラはバルブに設定することを前提にしていますが、特にバルブでなくても良いわけでカメラ側で適正露出となるようにセットしておきこのタイマーの露出時間を最低の1秒にして間隔と枚数を適当に選べば植物の開花や昆虫の羽化などの駒撮りにも応用出来ます。
一応筆者のCANON EOS Kiss-D用に製作したものですがNikonの赤外線リモコン(後述)にも対応しています。いずれも以下のインターフェースが必要です。

インターフェース
以下はTECHNO KITのUSB-IOV8(以下USB-IOと表記)を使った作例です。
USB-IOとはパソコンのUSB端子を経由してポートの信号をon/offするするだけの単純な電子回路です。ポートはP0,P1の2つがあってP0はP00〜P07まで8チャンネル(8BIT)、P1はP10〜P13まで4チャンネル(4BIT)合計12チャンネルの信号をパソコンからの命令によって制御できるものです。各ポートは出力ばかりでなく入力ポートとしても機能できます。
ポートの出力は直接リレーなどを駆動する電流はとれません。数ミリアンペア〜数十ミリアンペアだそうですがポート1の方が大きいらしいです。

USB-IOはKITと完成品がありますが私はKITを購入しました。上写真で赤ワイヤーから下がKITに含まれている部品です。赤ワイヤー(最近は裏でプリント配線されています)から上はカメラのリモート端子に信号を送るための追加部品です。回路的には右図のようになります。リモート端子をon/offするため手持ちのTLP521-1というフォトカプラを使いました。基板のGNDとP13の間に2つの端子が空いていますのでここに取り付けられるようさらに2つ穴を開けて取り付けています。LEDは別に無くても良いのですがポートがたくさん空いているので動作確認用につけています。この回路ではなるべく余分な部品を使わないようにポート1を使ってP13をカメラシャッター、P10を動作表示LEDに対応させています。

ケースは100円ショップで売っていた釘/ネジが入っていたケースがピッタリでした。USBケーブルも100円ショップのもので70Cm伸び縮みします。カメラ側のケーブルコネクターは私のEOS KISS DIGITALに合わせて2.5mmミニステレオジャックですがコネクターをカメラに合うように変更すれば他のカメラでも使えると思います。但しカメラ側のリモート端子が単なるメカ接点で動作するものに限ります。カメラ側のケーブルもUSBケーブルも基板に直付けしています。これはコネクター接続だと途中で抜けたり接触不良などなるべく不安材料をなくすためです。

他に拙作のオートガイダーGAGP1のインターフェースに同梱したUSB用回路図パラレルポート用回路図も参考にして下さい。


インターバルタイマーのソフトウエア


基本仕様
露出、間隔、枚数をセットしチェックボックスにチェックを入れて開始ボタンを押すと撮影を開始します。撮影はチェックを入れたところのみ上から順番に撮影します。
撮影中は進行状況をグラフで表示します。実行中のが現在撮影しているセットを示します。”現駒”は現在撮影中の1駒の状況で赤色が露出中(シャッター開)を表わし、黒色が待機中(シャッター閉)、黄色がミラーアップ中であることを表わしています。右2本のグラフは残りの総枚数と総時間を表わしておりこれらの高さが0になると終了です。終了するとグラフエリアは黒色で塗りつぶされ離れたところからでも終了を知ることができます。他にも終了時に音で知らせるとか終了予定時刻なども表示します。
中止ボタンを押すと押した瞬間にシャッターは閉じられ最初の状態に戻ります。

NIKON ML-L3対応
NIKON のワイヤレスリモコンML-L3(改造要)対応の要望がありましたので追加しました。Nikon Irにチェックを入れると露出の開始時と終了時にパルスが出力されるようになります。私はNIKONを持っていないので動作確認していないのですがD50、D70sで動作したとの報告をいただいております。更にML-L3が使えるカメラならばD40、D40X、D80なども対応できると思います。改造は光映舎のホームページ(http://www.koheisha.co.jp/index.html)で紹介されています。
この他Sonyリモートコマンダー等赤外線リモコンにも応用できます。

ミラーアップを使用するときはMirror Upにチェックを入れミラーアップ時間を右の選択ボックスで選択します。EOSの場合2種類のミラーアップ方法がありますがセルフタイマーを使用する方法とEOS標準のミラーアップを使用する方法どちらも対応しています。

設定ボタンを押すとUSB-IOまたはパラレルのインターフェース設定と出力データー設定をすることができます。但し、これはインターフェース(USB-IO又はパラレル)のハードウエア設計と厳密にかかわっていますので回路に合った設定が必要です。


インターフェース
使用するポートがUSB-IOのポート0か、1又はパラレルポートかを選びます。インターバルタイマー起動時画面のタイトルバーで確認できます。

データー1〜3
下図は本ソフトがUSB-IOまたはパラレルポートに送るデーターのタイミングチャートです。
通常時(EOS)ではシャッター開の時にデーター1、シャッター閉の時にデーター3を送出します。
Nikonをチェックするとシャッター開/閉のタイミングでパルスを発生させます。データー2はデーター3と同じでも良いですが、データ値をうまく選べばシャッターと動作表示発光ダイオードのON/OFFをうまくコントロールすることもできます。データー値が意味するところは例えば255とした場合そのポートの全ビットがLogicHigh(論理値1)にセットされ、0ならばLogicLow(論理値0)にセットされます。但し作例のハードウエアではUSB-IOはLowアクティブなのに対しパラレルはHighアクティブで動作します。

従ってP13がカメラシャッター、P10が動作表示LEDに対応する上の回路ではインターフェース=USB-IO Port1、データー1=0、データー2=データー3=15(255)にセットすれば良いことになります。Nikon Irを使用する場合はデーター1を0、データー2を8、データー3を15にするとシャッター開中とLEDの表示をうまく合わせることができます。但しNikonの場合は、カメラ側を2秒遅延リモコンに設定する事を推奨します。これはパルス幅のバラツキによる誤動作を防止するためですが、露出時間もその分だけ短くなることをご承知おきください。



このソフトとGAGP1を併用する場合

GAGP1の回路で使う例としてはUSB-IOのP01(ポート0ビット1)又はパラレルの3Pin(Data1)をカメラコントロールに使う場合、通常撮影の時はUSB-IOではD1=253、D2,D3=255、パラレルではD1=2、D2,D3=0と設定すればそのビットのみがアクティブにになります。


EOS標準のミラーアップを使う」にチェックを入れると1回目のレリーズでミラーアップ、2回目のレリーズでシャッター開動作になるようにパルスがでます。
チェックを外すとセルフタイマー併用時のミラーアップ動作になり、ソフト的には露出カウントがミラーアップ設定時間分遅れるだけです。この時はMirrorUpの設定時間はカメラのミラーアップタイムに一番近い時間に合わせます。
ミラーアップを使うと終了予定時刻は多少前後する可能性があります。
「EOS標準のミラーアップを使う」とNikon を同時にチェックすると「EOS標準のミラーアップを使う」が優先します(多分・・・)

全終了時に音で知らせるにチェックを入れると全終了時にPCに設定されている音を鳴らすことができます。
音1〜4はそれぞれPCのサウンドのプロパティーで設定されている以下の音源になります。(お勧めしませんが以下の音源ファイルを自分で作ったWAVファイルなどに置き換えればお好みの音も鳴らせます。)
音1:一般の警告音
音2:システムエラー
音3:メッセージ(問い合わせ)
音4:メッセージ(警告)

かたばみ製作所さんに動作確認のご協力いただきました。ありがとうございました。
Steven Liu 氏に動作確認及び英語バージョン開発のご協力いただきました。ありがとうございました。

プログラムダウンロードページ

注意:パラレルポートはWindowsが起動中データービット出力はALL1となりますので作例の回路ではカメラ信号もこの間ONとなります。パラレルで使用の場合は本ソフトを起動してからカメラの電源ONにしてください。

GAGP1 V3.1以上との併用について。
パラレルインターフェースの場合データー1〜3は15以下の数値であること。
USB-IOの場合はPort0を使用のこと。

データー設定等分かりずらい表現となっていますが不明な点は質問して下さい。

2008/12/31 追記

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