非接触回転速度センサー(OH182/E)実験

秋月電子通商で非接触回転速度センサー(OH182/E)というものが販売されています。これは”歯車(金属)のでこぼこを非接触で検出して出力する”と謳われているもので、WEBで検索してみると主に自動車やバイクのスピード計測に使われているようです。歯車の歯を検出するという文言に興味を惹かれギヤーの歯を一つずつカウントできれば正確な回転数や回転角が得られるのではないかということで実験してみました。

センサーは小さなトランジスターを二つ接続したほどの大きさで磁気抵抗センサー素子とアンプICが組み合わさっているとのことです。センサー素子にはフェライトマグネットが接着されていて磁束を与えてギヤーの歯による磁束の変化を検出して出力するものらしいです。

ギヤーは磁気に反応する鉄系のものが必要なので手持ちの直径約54mmモジュール0.5歯数106を使用しました。ギヤーとセンサーの間隔は規格では0-2mmとなっていますがほぼ0で実験しました。


このセンサーの電源は規格は12Vなのですが歯車をカウントするロジックのことを考えると電源を統一したいので5Vで動作させてみました。回路はとりあえず歯の検出がどの程度できるのか確かめるためだけなのでかなり適当です。定数が正しいかどうか分りません。LEDは動作を確認するためのもので高輝度LEDで0.5mAの電流で発光します。

センサーがギヤーの歯を検出すると回路図のA点の電圧は0.41から0.83Vまで変化しました。(規格の12V電源では0.8-1.6Vとのことです) したがってB点の電圧を0.62Vに調整してC点で歯の有り無しによって0か5Vを得るようにしています。ちなみにA点の電圧は連続的(アナログ)に変化するのではなくデジタル的でした。
センサーと回路間は約40cmのシールド線を使用しましたがどのくらいの長さまで許されるのか分りません。規格の12V駆動にすればもう少し長くてもよいかもしれません。
英文の説明をよく読むとセンサーと歯の間隔の最大値はギヤーのモジュール数によって変わるようです。実験のギヤーはモジュール0.5で小さすぎるようですが手持ちがこれしかないので敢えてこれを使用しています。

ギヤーの歯をカウントするのに上のコンパレーター出力を以前実験したエンコーダー読み取りプログラムのFT245RL基板にアドオンしてエンコーダー入力の変わりにします。



ギヤーの歯をカウントした結果が正しいかどうか判断するために正確な回転数が得られるステッピングモーターを使用しました。これも過去のステッピングモーター駆動実験プログラムを使用しています。

一応ギヤーの歯数をカウントすることはできました。但しモジュール0.5のギヤーではセンサーと歯の間隔は殆ど0でかつセンサーのギヤーに対するポジションはシビヤーに調整しなければなりませんでした。ここはやはりモジュール1以上の歯車を使用すべきだと思います。
ここでは結果を検証するため予め正しい回転数(歯数)が分っているステッピングモーターを使用しましたが、本来ステッピングモーターを使う意味はありません。DCモーターで駆動された歯車をカウントして正確な回転数或いは角度を得るというのが本来の使い方だと思います。エンコーダーのように2つのセンサーを90度位相をずらせて設置すれば歯車の解像度は4倍で回転方向も分るのですがどうでしょう?

次回はもう少しモジュールの大きい歯車を使ってDCモーター制御をしてみたいと思っています。


2014/08 記

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