OH182/Eを使ったDCサーボモータ制御実験

前回、非接触回転速度センサー(OH182/E)を使って歯車の歯をカウントする実験を行った分けですが、今回はこれを使ってDCモーターを制御する実験を行いました。DCモーターは手持ちのVIXENスカイセンサー2000用のジャンクモーターで、エンコーダーなしギヤー比36:1のギヤードモーターで、これに材質SC45歯数30モジュール1のギヤーを取り付けて約1mmのギャップを設けてOH182/Eを取り付けています。
DCモーターを駆動するのにモータードライバーを製作しなければなりません。制御の考え方としてはDCモーターは電流を切ってもすぐには止まれないので、止めたい場所より少し手前でスピードを落とし、止めたい場所にきたらブレーキをかけて止める。といったことをします。
この用途にうってつけなのが秋月電子で販売しているTB6643KQというMOS構造のDCモータ駆動用フルブリッジドライバICです。

主なスペックは以下の通りです。
・電源電圧:50V(最大)
・出力電流:4.5A(最大)
・出力ON抵抗:0.55(標準)
・PWM制御可能
・正転/逆転/ショートブレーキ/ストップ機能
・過電流検出回路(ISD)
・過電圧検出回路(VSD)
・熱遮断回路(TSD)
・低下電圧検出回路(UVLO)
・貫通電流防止時間内蔵

スカイセンサーのモーターは定格12Vなので12V駆動の時をフルスピードとし、ロースピードはPWM制御して3V程度となるようにしました。PWMはLM555というタイマーICを使って約8〜10KHz発信器のデューティー比を変えて作っています。

左はOH182をギヤーのそばに仮止めしている様子です。右はモータードライバー基板ですがとりあえずまだ一系統しか作っていません。もう一系統と前回のOH182アンプとFT245RL基板を統合できるようにスペースを空けてあります。

全体の構成はこんな感じになります。寄せ集めの回路なので余分な部品も乗っています。右はブロックダイアグラムです。
プログラムからFT245を経由してモーター駆動信号を出し、OH182でピックアップした歯車のシグナルをカウントしてモーターの回転を監視するクローズドループを構成しています。


以下は低速回転、高速回転、一ステップ、それぞれの正転、逆転動作の様子です。

モーターのコントロールはPCのプログラム次第ですが、このくらいのコントロールができれば大抵の用途に対応できると思います。この歯数30のギヤーを介してポルタ経緯台を駆動すると360/120*60=0.05度の精度で駆動できることになり自動導入には十分な精度がえられます。精度的にはステッピングモーターに比べて最大1/2歯オーバーする弱点(*)を含んでいますがあまり問題になることはないと思います。それよりステッピングモーターの弱点を克服する高速回転と低速時の回転トルクはDCモーターならではのものがあります。(*)十分に減速してから止めればOK。

2014/11記

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