オートガイダ-ソフト(GAGP1) 

概要
本ソフトはその昔、半自動ガイドと呼ばれたガイド鏡を覗きながら十字線上の星のズレをハンドコントローラーのスイッチを押して修正するといった人の動作をエミュレートするものです。PCに繋いだWEB CAMの映像からズレを検出してUSB又はParallelのインターフェースを介して赤道儀コントローラを制御します。
Vixen スカイセンサー2000(PC)に対応していますがオートガイド端子を持つコントローラーなら他社製品でもコネクタターを変更すれば使えると思います。
なるべくパラメーターを少なくしシンプルで直感的に使用でき、1000mmの主鏡を最低10分間はガイドできることを目標にしています。

システムとしてはソフトとハードウエアが必要でこんな感じになります。


ハードウエア
いわゆるリレーインターフェースとかリレーBOXと呼ばれているもので赤道儀コントローラー(SS2000PCなど)のオートガイド端子に接続してガイドするものです。(ASCOMには対応していません)
USBまたはパラレルインターフェースのどちらかが必要です。

USBタイプ
回路図
テクノキットUSB-IOを使ってUSBポート経由でオートガイダー端子のシグナルをON/OFFします。Vixen スカイセンサー2000(PC)に対応していますがVixenオートガイダーAGA-1が使えるStarBook、或いは他社のオートガイド端子がスイッチのON/OFFで動作する物ならコネクターだけ変更すれば使えると思います。自分で作れば\2000程度で出来ます。

コントローラーのスイッチ電流はフォトカプラの4番から3番に向かって流れるので他社製品のコントローラーでオートガイダー端子の極性が不明なときはテスターで計れば分かります。もしくはフォトカプラーの代わりにミニリレーかフォトモスリレーを使用すればOK。

テスト撮影の手動レリーズ代わりにカメラケーブル途中に回路をショートする押しボタンスイッチを追加。
パラレルタイプ
回路図 パラレルポートが使えるPCならLEDはありませんがこちらの方がスッキリしています。PCから直接SS2000とカメラに接続する感じです。
パラレルポートのDATA8ビット中上位4ビットを使用しています。これはWEBでざっと検索した結果世の中の標準らしいのでそれに合わせました。

ホトカプラーはDサブ25ピン♂コネクターに無理やり内蔵し直接半田付けしていますので外観はコネクターとケーブルだけです。作例はSS2000用6ピンモジュラーケーブルとEOSカメラシャッターコントロール用ケーブルも付けていますがオートガイドだけならこれは必要ありません。LEDをつけたい場合はGUIDEMASTERの回路を参考にしてください。
制作費は、Dサブ25ピンコネクター(¥150)、ホトカプラー(¥150)、6ピンモジュラーケーブル1.5m(¥550)、2.5mmミニステレオジャック(\150) 合計¥1000でした。オートガイダーインターフェースとしては最安値ではないかと思います。(ただ最近のノートPCにはパラレルポートが付いていないのでその場合は上のUSB-IOを使って下さい。


ソフトウエア
本ソフト(以下GAGP1と記す)を起動すると下のような画面が現れます。PCにWEBカメラが接続されていれば映像が映るはずです。
画面はメイン画面とグラフ画面に分かれていてそれぞれ適当な位置に動かせます。但しドラッグしている間は処理はストップしますのでガイド中は動かさないほうがいいです。ガイド中メイン画面が邪魔な時は最小化しておくこともできます。
グラフ画面の左の入力欄は縦のスケール倍率で1〜5まで変更できズレのグラフの感度を調整します。右側の映像はガイドエリアの拡大映像となっておりこの画面だけでガイド状況の把握ができます。グラフ上でマウスを右クリックするとグラフを再描画します。

以下に各項目を上から順に説明しておきます。

設定 接続するインターフェースをUSB-IOかParallel、ガイド星エリアを100か50(Pixel)を選択します。但し、ParallelはOSがWindowsXP以前のみに対応しています。ガイド星エリアには2つ以上のガイド星が入らない範囲をを選択します。
    

撮影
 外部ソフト を呼び出すことができます。例えば拙作インターバルタイマーとかCanon EOS Utilityなど撮影関係のソフト(別に撮影関係でなくても良いですが)を起動することができます。
このボタンを押すと最初の一回目だけはファイル選択ダイアログが現れます。起動したいソフトの実行ファイル(****.exe)を選んでソフトを登録します。次回からは登録されたソフトが起動します。登録したソフトを変更したい時はGAGP1の実行ファイルと同じフォルダー内の"openfile.dat"を削除して最初からやり直して下さい。


ディバイス
 カメラソースの選択とか明るさコントラストの調整ダイアログが現れます。接続されているカメラによって項目がかわります。


解像度 カメラのビデオ入力フォーマットダイアログが現れます。必ず640x480を選択します。これ以外の解像度では正常動作しません。カメラによっては640x480を選択できないものもあります。

B/W
 映像を白黒モードにします。ディバイスの設定でできればそちらを優先した方が良いです。ガイド星の認識力は多少上がると思います。

ノイズ
 映像のノイズ除去を行います。ランダムスポットノイズを軽減します。

蓄積 ソフトウエアで映像を蓄積します。右側の数字が蓄積フレーム数で大きくするほど明るくなりますが星像だけ明るくなるわけではありません。

2値化 映像の入力レベル(0〜255)をある値(閾値)以下と以上に振り分けガイド星とバックを明確にします。右側のバーで閾値を調整します。

以上B/W、ノイズ、蓄積、2値化は組み合わせて使うことにより少しでも暗いガイド星を認識するための機能ですが所詮姑息な手段なので過大な期待はしないほうがいいです。

ズレ許容量 ガイド鏡の焦点距離やシンチレーション、赤道儀の応答性などによる星像のズレ許容量で、使用する機材とその時の空の状態によって調整します。許容量+1Pixelでガイドを行います。

修正時間 後述のNSEWボタンを押している時間で一回の修正信号がモーターを駆動する時間(駆動量)です。

連続補正 
ズレがこの値を超えると連続的に補正信号(ボタン押しっぱなし)を出します。

ズレの量に応じた修正量(ボタンを押す時間)の関係。  A=修正時間の値、B=2A、C=ガイド間隔(タイトルバーの最右の数字)

連続補正\ズレ
A B C C C C C C C
A A B C C C C C C
A A B B C C C C C
A A A B B C C C C
A A A B B B C C C
A A A A B B B C C
A A A A B B B B C

例えばズレ許容量=0、修正時間=30、連続補正をとするとズレが2Pixelまでは30ms、3〜4Pixelでは60ms、5Pixel以上は連続、補正信号が出る。連続補正値を小さくするほど積極的に補正するがオーバーランの危険性が増大する。ガイド鏡の焦点距離やコントローラーによるが通常3〜6位が適当

平均frame ズレの計算を何 Frameの平均にするかを設定します。フレーム数を多くするほど平均化されシンチレーションの影響を少なくできますが修正間隔は長くなります。 言い換えると何フレームごとにガイドするかということであり、1にすると平均ではなく毎フレームごとにガイドします。

自動設定 南北反転、東西反転の判定をを自動的に行います。*後述

南北反転、東西反転
 カメラの取り付け位置、天頂プリズムの使用などによる南北方向、東西方向が反転している映像に対して
画面の映像を反転します。すなわち画面の右が西で左が東、上が北で下が南となりNSEW表示方向との関係を保ちます。

RA優先 通常はRA,Dec同時にガイド信号を出しますがこれをチェックするとRAのズレが許容値+1以下のときのみDecのガイドを行います。*後述

Auto Axis ガイド星付近(20Pixel以内)をクリックしたとき自動的にガイド星の位置に合わせて基準線(十字線)を設定します。チェックオフだとクリックした位置が基準線になります。

stop ガイドのみストップします。

NSEWボタン ガイドの状況をボタンのオンオフで表示します。ハンドコントローラーの修正ボタンに相当しますがボタンをクリックしても動作しません。その代わり、ガイドを開始していないときのみキーボードの←→↑↓キーでモーターを(ガイド鏡の筒先を)その方向に動かしガイド星を移動できます。


プログラムの終了はウィンドウ右上の
Xを押して終了して下さい。メインウィンドウのときはそのまま終了しますが、グラフウィンドウのときは終了して良いか聞いてきます。いずれも現在の設定値を保ちます。

実際の手順 −筆者スカイセンサー2000(SS2000PC)の例。(オートガイドON、バックラッシュDec=0、ガイドスピード0.5)−
先にPC→インターフェース→SS2000PCオートガイド端子、及びPC→WEB Camを接続しておきます。(GAGP1を起動した後からではダメ!)
ガイド鏡にWEB Camを取り付け、GAGP1を起動しFormatを640X480にします。ガイド星を導入し明るさコントラストなどを最適な状態に調整します。ガイド星はあまり明るくないほうが良いようです。

ガイド星を導入しSS2000をXYモードにして左右方向キーでガイド星を東西に動かします。画面の水平方向が赤経(東西)方向になるようにカメラの取り付け位置を回転調整します。極軸設置精度測定ではなるべく正確に合わせたほうが良いですがそれ以外ではそれほど神経質にならなくても良いです。

マウスポインタをガイド星に合わせてクリックするとガイド星を中心とした緑の枠(ガイド星エリア)と赤の十字線が表示され、この時点でガイド開始となります。やり直す場合はもう一度クリックするか映像画面上で右クリックするとガイド星選択枠は解除されガイドもストップし最初の状態に戻ります。ガイド星は画面のどこにあってもかまいませんがあまり画面の端だと警告が出ます。またガイド星エリアには2つ以上の星がないようにします。

ガイド方向の設定(RA優先オフ)
Auto Axisのチェックを外し、ガイド星よりXY方向に約10Pixe(ガイド星エリアの約10%)lほどずらしたポイント(斜め方向)をクリックして基準点を設定します。

この時ガイド星が十字線から徐々に離れるようであれば東西或いは南北反転チェックが間違っています。ある程度以上に十字線から外れるとガイドはストップしますので、何回か繰り返してガイド星が十字線の交点に向かって動くように東西反転、南北反転をチェックします。
以上のことは次の手順でも可能です。(ガイド星エリア=100のみ)
(1)Auto AxisのチェックをON、(2)ガイド星をクリック、(3)
自動設定ボタンを押すと前記のことをプログラムが自動実行します。しばらく様子を見ていると最終的に「この設定で良いですか?」と聞いてきます。通常はこれで良い筈ですが明らかにおかしい場合はもう一度やり直すか、筆者が言うのも何ですが前記の手動で設定した方が早いし自分の目の方が確かです。最終的には必ず自動設定ボタンが解除(押されていない)された状態になっていることを確認する必要があります。(WindowsXP以上のLunaなどのビジュアルスタイルはボタンのへこみ具合が分かりにくいですがクラシックスタイルかパフォーマンス優先に設定すると分かりやすくなります


ガイドが開始されるとグラフウィンドウのタイトルバーに基準位置とガイド星のズレ量(X=RA、Y=Dec)を表示し、ズレが許容量以内であれば★マークがでます。許容量が大きいほど★又は☆(許容量+1)マークは出やすくなりますが必ずしもいつも表示していなければガイドエラーというものではありません。
ガイド中、雲がかかってガイド星が消えた、或いは強風などで一瞬大きくずれた場合は■マークを表示してガイドはストップします。この間は赤道儀の恒星時追尾に委ねられGAGP1がガイド星を探しまわることはありません。
再びガイド星がある範囲内に現われればガイドを続行しますが■マークがでた後は撮影は失敗している可能性が高いので次のショットに移ったほうがいいです。
最右の数字(xxxms)はWEB CAMから1フレームを読み込んで内部処理する間隔でCPU速度に依存します。言い換えると修正駆動する間隔(ガイドの間隔)を表しています。平均frame数を増やすとこの間隔も大きくなります。

パラメターの設定
ズレ許容量は基本的に0に設定しておくのが望ましいですが長焦点ガイド鏡やシンチレーションが大きい場合ハンチング(行ったり来たり)やオーバーラン(行きすぎ)が発生することがあります。1〜2に設定するとこれを軽減することができます。

前記のガイド方向の設定手順でガイド星をわざと外した基準点に移動する時間が最小になりかつハンチングやオーバーランにならないように修正時間連続補正の値を決定します。この二つのパラメーターがGAGP1の基本です。
特にDecはモーターの駆動方向が変わるとバックラッシュを吸収するのに時間がかかるので組み合わせを変えて自分のシステムに合った最適な値を探します。
下のグラフはガイド星より上下に僅かずらせた基準を指定してパラメーターを変えながら十字の交点に移動する時間を調べている様子です。


この↓例は1000mmガイド鏡で最終的に各パラメーターの最適値を決定した後の約20分のガイド状況です。許容量1なので赤経/赤緯とも許容量+1(±2Pixel)以内に収まっており星像の丸さもまあまあでした。たとえ許容量が0でなくても内部的にはズレを0に近づける努力はしています。 


この例は420mmガイド鏡で許容量0にしてガイドを行ったものです。時おり風が強かったのですが赤経、赤緯とも1Pixel以内に納まっています。一見上のグラフよりこちらの方がうまくガイドしているように見えますが焦点距離が短いので感度は高くないのとグラフは2秒間の平均値なので実際の瞬間的にはもっとずれていると思います。理想的にはフラットなグラフにこしたことはありませんがずれを検出しているかどうか分かりませんので時々1Pixel程度の山が出る方が良いと思います。



Tips

平均Frameを2以上に設定するとシンチレーションの影響を少なくすることができますが当然ガイド間隔も長くなります。この場合最適パラメーターに影響するので、特に修正時間は少し長めに変更する必要があるかも知れません。
目安として1秒間あたりの修正時間を考慮します。シンチレーション対策に平均Frame用のパラメーターを探しておくと良いかもしれません。

RA優先
下の図のように日周運動の方向がX軸に平行でない時ガイド星のズレはたとえRAのみがずれたとしてもRA(X)とDec(Y)の両方の成分を持つことになります。通常はRAとDecを同時に修正するのでDecが必要のない修正を受けることになります。RA優先にするとRAを先に修正してズレがなくなってからDecの(ズレがあれば)修正を行います。図で点線がそれぞれの成分ですが実際の動きは実線なのでRAの修正が終わった時点ではDecの成分は無くなっていることになります。図は誇張して描いていますのでこれほど極端なことは無いと思いますが日周運動の方向が少々ずれていてもOKです。Dec側が敏感に反応する時に有効かもしれませんが、基本的には日周運動の方向はX軸に平行にした方が良いです。(たいした手間ではないですから)


バックラッシュについて
ガイド中赤道儀のバックラッシュが問題になるのは基本的に赤緯軸だけです。シンチレーションによるDec+、Dec-信号の頻繁な反転がSS2000(PC)→Motorの応答性よりはるかに早いためSS2000PCのバックラッシュ補正は追いつきません。バックラッシュが設定されていると結果、オーバーランやハンチングといった現象を引き起こすことになりますのでSS2000PCのDecバックラッシュ補正は基本的に0に設定しておきます。但し、RA優先でDecの反応が緩やかな場合やシンチレーションを拾いにくい短焦点ガイド鏡では控えめな設定をしても良いかもしれません。

極軸が正確に合っているほど赤緯補正信号は出にくいのでたまに出る最初の信号はバックラッシュを吸収するのに費やされガイドズレが発生する時があることを認識しておく必要があります。一度バックラッシュが吸収されてしまえば次からは望遠鏡の方向を変えない又はガイド中に子午線をまたがなければ補正信号が反転することもないので正しく追尾してくれるはずです。追尾中のバランス変化による急激な(バックラッシュ分の)動きには付いていけませんので最初から赤緯側のバランスを少し崩しておくのも手かと思います。

WEB CAMについて
WEB CAMはWindowsが認識してくれれば何でも使えるはずです。ビデオキャプチャーを装備していれば高感度CCD カメラも使えると思います。
最近のWEB CAMは比較的感度も高くなっているのでどのくらいまで暗い星まで認識できるか分かりませんが画面にやっと映っている状況ではB/W、ノイズのチェックを入れると比較的安定して認識できるようでした。但し、特にノイズ、蓄積は処理に時間がかかるのでガイド間隔は長くなります。


ピリオディックモーション測定 
ピリオディックモーション測定では赤道儀を恒星時駆動させておくためアライメントは一切行わずSS2000では電源ONからEnterを押した状態にしておきます。AutoAxisオンでガイド星をクリックして基準位置を確定してからstopボタンを押します。(インターフェースを切り離してもOK) 144歯のウォームホイルでは約10分そのままグラフを描かせます。グラフはシンチレーションやモーターの回転むらを含んでいますのでギザギザになりますがRA(赤経)主成分の揺れ幅をスケールラインを利用して目視で測定します。f(^_^;) 


この例ではグラフが斜めに傾いていますがピリオディックモーションは目測で約9Pixelと読み取れます。
前もって使用するガイド鏡とカメラから1Pixelあたりの角度の大きさを求めておきます。
レンズの焦点像の大きさ は S=f*tanθで表されます。f:ガイド鏡の焦点距離、θ:物体の大きさ(角度)
一方WEBカメラのCCDの横PixelサイズをSとすると S=f*tanθ から逆算して θ=atan(S/f) でCCD 1Pixelあたりの角度が求められます。
なにやら難しい話になりましたが使用する機材のスペックで一度計算しておけば良いのでそれほど面倒ではないと思います。
(或いは恒星が日周運動で画面を横切る時間を計測しても求められます)
ToUCam Pro(U) のガイド鏡焦点距離に対する1ピクセルあたりの角度 (ToUCam Pro(U) ピクセルサイズは縦、横5.6μm=0.0056mm)

焦点距離 角度/Pixel
500mm 2.3101"
1000mm 1.1551"
1500mm 0.7701"

上の例では1000mmのガイド鏡なのでピリオディックモーションは 9X1.1551=10.4秒 なんと±5.2秒でGP赤道儀としては類を見ない良さです。これはたまたまなのかウォームホイル一部だけのことなので数箇所にわたって調査しなければ正確なところはわかりませんが・・・。

極軸の設置精度
ピリオディックモーション(ガイドなし)のDecのグラフで極軸のズレが把握できます。この場合ガイド星のRa方向の動きと十字線の水平方向をきっちり合わせておく必要があります。
ガイド方向の設定が正しい時(画面の右側が西、上側が北の時)RAのグラフは+方向が西−方向が東となり、Decでは+方向が北−方向が南になります。

これはこのソフトを使って一番最初に得られたピリオディックモーションのグラフです。これではピリオディックモーションどころではありません。
赤緯方向(Dec)のズレに注目すると数分で−側すなわち南にずれています。この時のガイド星は南天の赤道付近の恒星なので極軸の方位が東にずれていることになります。

何回か修正して

このようになりました。あとは同様にして高度も調整しスケール倍率を上げてもう少し追い込む必要があります。

ズレの方向と極軸ズレの関係(極軸北端のずれ)

ガイド星の方向 南にずれる 北にずれる
南天の赤道付近 東にずれている 西にずれている
東北天の45度付近 低すぎる 高すぎる
西北天の45度付近 高すぎる 低すぎる


以上、筆者SS2000(PCでないVer1.07 MT-2)での話ですが違うバージョンやMT-?、或いはStarBookでは動作が異なるかもしれません。
StarBookでの使用例としてパラメータ追い込みの考え方等がかたばみ製作所で紹介されています。
高橋EM1-Sでの使用例として「ポンコツ星空日記」でも紹介されています。

オートガイド端子の無いコントローラー
DD-1,やSD-1などオートガイド端子の無いコントローラーでは押しボタンから直接信号線を取り出せばオートガイドが実現できます。WEBで”オートガイド改造 DD-1 SD-1”などで検索すれば多くのサイトで紹介されています。MT-1などのステッピングモーターの方が応答が速くSS2000(PC)より精密なガイドができるのではないかと思っています。

ガイドテスト
筆者の環境では10分も露出すると明るくかぶってしまうのでISO100とし20Cm SCTにF4.8自作レデューサーでFL960mm 900S(15分)のガイド撮影を行った。ガイド鏡は6Cm420mm。
画像の一部だが等倍画像でレベル補正のみ行っている。焦点距離が960mmなので星像が太っているがガイドはうまくいっているようだ。昔はガイド鏡の焦点距離は撮影鏡の焦点距離以上とされていたがCCDの1Pixelのズレが判断できる現在ではシンチレーションの影響をまともに受ける長焦点鏡より300〜500mmで十分なようだ。


中心を外してしまったので自作レデューサーの影響で右下側の星像は伸びている。

参考
Vixen GP赤道儀+SS2000
シーイング 中
風      弱
ガイドスピード 0.5
バックラッシュ RA:100 DEC:0
平均frame 1(リアルタイム)
RA優先 オフ
許容量  0
修正時間 3(30ms)
連続補正 5

まだ検証が十分できていないので不具合があるかも知れません、また試行錯誤中のソフトであり皆さんの情報が改良の可能性を秘めています。

動作環境
Windows2000、WindowsXPで動作確認 WindowsVista Windows7 実践経験なし。
(PentiumV800MHz相当以上 画面解像度800X600以上 USBポートX2必要)

inserted by FC2 system