傾斜計の試作(その2)

再びこんなものを作ってみました。(コンセプトは架台の姿勢に影響されない高度測定です)


分度器の中心から垂らした錘のついた糸を基準線にすれば間単に角度を測れる分けですが、通常の分度器では目盛が細かすぎて読み取り精度が不足します。低倍率の望遠鏡に星を導入する最低限の精度は0.5度程度必要なので目盛を拡大する目的で前作の気泡管傾斜計を作りました。これはこれで微小な角度変化も捉えられるメリットもあったのですがいかんせん大き過ぎるのでもっと小型のものはできないかということでこんなものになりました。

原理としては通常の分度器を使う方法と同じですが角度を増幅(拡大)して読み取るというのが特徴です。望遠鏡の世界では必要な傾斜角度(高度)は0〜90度だけなのでこれを4倍して0〜360度に増幅すれば読み取りやすくなるだろうということです。


角度を増幅する方法としては二つの歯車のギヤー比で増幅します。大きい方の歯車が歯数72小さい方の歯車は歯数18で4:1となっており、大きい歯車が90度回転すると小さい歯車は360度回転します。

小さい歯車に錘と目盛板が付いていて大きい歯車に対して常に真下に来るようになっています。大きい歯車の角度が変わると小さい歯車の角度が4倍に増幅されるという分けです。
目盛板は直径約60mmなので円周は188mmあり0.5度が1mmに相当します。目視で1mmくらいの差異は確認できます。
原理的にはこれで良いと思いますが、安定した精度を求めようとするとギヤーのバックラッシュや目盛基準となる錘がふらふらと落ち着かないことなどを克服する必要があります。錘を使わないで水準器をつかった方が良いかもしれません。

余談になりますが、私のスマホの角度アプリは0.1度の精度で表示はしますが再現性がまったくありません。特に0度或いは90度付近は使い物になりません。
近い将来スマホで角度が正確に計れることを切に祈っています。

2014/10 記

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