傾斜計の試作(その1)

こんなものを作ってみました。


気泡管傾斜計です。傾斜角度を測るといえばレベラーや分度器が思いつきますが文房具クラスの分度器では目盛が小さすぎて1度以下の角度差異を読み取れません。大きさが小さすぎる、すなわち目盛と目盛の間隔が狭すぎるからです。余裕をもって0.5度が読み取れるようにするとこのくらいの大きさになってしまいます。

気泡管は透明なビニールチューブで、チューブの中にはアルコールを入れています。ついでにプリンターのマゼンダインクで着色してみました。
チューブの一端は半田ゴテでビニールを溶かしペンチで挟んで接着しています。もう片方はアルコールを注入したあと何か詰め物をして封止すれば良いと考えていましたが、その何かがなかなか見つからず、思案の末手元にあったLEDにゴムチューブをかぶせて挿入すると程よく適合することが分りました。こんなことなら半田ゴテなど使わずに最初からLEDを使っておけば良かったと思っています。


目盛の読みは気泡の中央でなく右端(赤矢印)又は左端を読みとることで0.5度程度の精度まで読み取れます。
当然気泡の動きは目盛に対して正確に(角度に比例して)動くように調整する必要があります。

絶対的な水平が0度であるにこしたことはありませんが、大事なことは正確に90度回転したときに目盛の読みの差が90度になることです。
絶対的な水平を0度に合わせることはこの傾斜計の取り付け方でどうにでもなることです。

目盛はWEB上に落ちているものを拾って目的に合うよう加筆して作りました。

こんな感じで計測することもできます。→
試作ということもあって簡易な構造ですがアームの角度を調整することによって気泡の基準点を校正することができます。

右はLEDを点灯してみたところです。LEDの光はチューブの中を全反射しながら進むため気泡の縁が光って想いのほか夜間の視認性がよさそうです。

これが何かの役に立つかどうかは分りません。とりあえず、方位はともかく高度は0.5度の精度で測定できる目処はたちました。
「鏡筒の向いている方向を直接計測できれば架台が何であろうと、斜面であろうと高度と方位を使って天体の導入ができるのになぁ」。というのが動機なのですが、事の発端はスマホを望遠鏡に取り付けてプラネタリウムアプリで天体を導入できないかというものでした。しかし現時点ではスマホの傾斜センサーや方位センサーでは精度が不足していてあまり実用にならないというのが現実でした。まあ、これが実用的ならばとっくにNET上で紹介されているはずですがあまりそういう話は聞きません。しかしこれができれば画期的なことだと思います。数年後には実用になっているかな・・・・たぶん?

2014/06 記

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