インターバルキャプチャー(GiCap)

概要
本ソフトは惑星などをオートガイドしながら一定間隔でキャプチャーするソフトです。
惑星などの自転アニメーションを作る事を想定した前段階の映像を取得するために制作しました。惑星の自転アニメーションを作るためには最低2 時間から3時間その様子を記録しなければいけません。恒星時追尾の赤道儀では2、3時間の追尾で惑星は完全に画面の外に出てしまいます。本ソ フトで惑星本体を追尾することにより常に画面の中に捕えておくことができます。
基本的操作はキャプチャー時間とインターバル時間をセットしてスタートするとそれに従って映像を取得します。

本ソフト(以下GiCapと記す)を起動すると上のような画面が現れます。PCにWEBカメラが接続されていれば映像が映るはずです。 (Windowsが認識していること)
以下に各項目を上から順に説明しておきます。

設定 オートガイド用インターフェースの設定、動画保存フォルダーの選択、Webカメラの選択などを設定する設定画面が現れま す。(後述)

ディバイス
 カメラの明るさコントラストの調整ダイアログが現れます。接続されているカメラによって項目が変わります。

解像度 カメラのビデオ入力フォーマットダイアログが現れます。必ず640x480を選択します。カメラによっては 640x480を選択できないものもあります。

開始/終了
 開始時間と終了時間をセットしておくとその時間になるとキャプチャースタート/ストップします。

キャプチャー 動画をキャプチャーする時間をセットします。

インターバル 次の動画をキャプチャーするまでの時間をセットします。

タイムスタンプ 現在未対応。

Start(F12) キャプチャーをスタートします。

Stop(Esc) キャプチャーをストップします。

平均Frame オートガイド時の位置ずれ検出をFrame平均化します。

修正時間 一回の修正信号がモーターを駆動する時間(駆動量)です。

NS反転、EW反転 モーターの駆動方向を反転します。。

設定画面
 


Webカメラ PCに複数のカメラが繋がっている時にカメラを選択します。

CaptureFile保存時のフレームレート 映像保存時のフレームレート(FPS)を指定します。カメラによっては変更で きない場合もあります。(注1)

保存先ホルダー
 参照ボタンを押してキャプチャーした映像を保存するホルダーを指定します。この時ファイル名にdummyという ファイルが設定されていますが保存したいホルダーを指定してそのまま保存(S)ボタンを押して下さい。以降このフォルダーにAVIファイルが 保存されるようになります。

ガイドインターフェース USB-IOのオートガイドリレーBoxがポート0を使うか1かを指定します。オートガイドソフトGAGP1のUSB-IOインターフェースと同じで完全互換です。回路 図はこれ(USB-IO)を使う場合ポート 1に設定のこと。

AVI File Name
 保存するAVIFileの名前を次の3種類から指定します。
1、開始の時間 開始した時間をファイル名としてAVIで保存されます。例えば2009年10月25日20時15分30秒にス タートした場合091025201530.aviというファイル名になります。
2、日付の連番 開始した日付の連番をファイル名とします。例えば10月25日の時は1025_001.avi、 1025_002.avi、・・・
3、Prefix+連番 任意の文字列(Prefix)の連番とします。例えばPrefix="gicap"の時 gicap_001.avi、gicap_002.avi・・・ (Prefix文字列に任意の文字列を指定します)

惑星本体でガイドする/恒星でガイドする どちらかを選択します。面積のある天体の中心をガイドするか、点像に近い恒星(惑星 の衛星も)でガイドするかを選択します。位置の検出ロジックが大きく違うので正しい選択をしないとオートガイドできません。

惑星or恒星の検出エリアを表示する
 惑星本体と認識しているエリアまたは恒星を認識するエリアを緑色の枠で表示します。主に動 作確認用です。

今後この画面をスキップする 毎回同じ設定で起動するときこの画面をスキップすることができます。


実際の手順 −筆者スカイセンサー2000(SS2000PC)とWEBカメラ (ToUCam Pro II)を使う例
先にPC→インターフェース→SS2000PCオートガイド端子、及びPC→ToUCamを接続しておきます。(GiCapを 起動した後からではダメ!)
最初の一回目は設定画面の項目を設定してカメラの最適値や保存ホルダー、FPSを設定しておきます。テスト撮影をして保存された映像がその後 の処理ソフトで読み込めるか確認しておく必要があります。
惑星を画面内に導入します。オートガイドでは基本的に日周運動の方向が画面の水平方向と平行になるようにカメラの取り付け位置を回転調 整します。 しかしキャプチャーの立場からすると惑星の赤道面を水平に合わせたいものです。この時日周運動の方向との差が概ね 45度以内であれば問題なく追尾できるようになっています。

惑星本体の中心付近をマウス左クリックするとクリックした所を中心に緑のクロスラインが表示され、これがガイドの基準点となります。こ の時同時にガイド開始となります。もう一度他の所をクリックするとクリックした所が新たな基準点となります。また、映像画面上で 右クリックするとクロスラインは消えてガイドは停止となります。
画面の縁(周囲)はバックグランドの濃度測定と惑星の位置を計算するのに必要です。したがって月面の拡大映像のように画面全体が明るいとガイ ドできません。
しばらくガイドの状況を注視して惑星中心がクロスライン中心に一致するように修正時間、平均Frame、NS反転、EW反転の項目を操作しま す。惑星が基準点を往ったり来たりする時は修正時間を小さくするか平均Frameを大きくします。
画面上部のタイトルバーにXYのずれを表示するので概ね3以下でガイドはうまく動作しているといえます。(惑星の場合は強拡大なのでなかなか 0にはなりません)

後はキャプチャーとインターバル時間をセットしてstartすると一定間隔で映像をキャプチャーします。開始時間がセットされているとその時 間を待ってキャプチャーします。終了時間をセットしておくとその時間になると終了しますが、セットしていないか又はその時間が過ぎていると stopを押すまで実行し続けます。一回のAVIファイルの大きさとファイル数から推定されるDISKの空き容量にご注意ください。

(注1)保存ファイルのフォーマットはキャプチャディバイスの設定に依存します。GiCapはディバイスからの映像(圧縮コーデック)を無圧 縮で保存します。例えばディバイスプロパティーが15FPSの設定でGiCapの設定を30FPSにすると無駄な映像が記録され元の容量より 保存された容量の方が大きくなってしまうことがあるので注意が必要です。保存映像が再生できない場合もディバイスプロパティーやPCにインス トールされているコーデックを確認してください。

時期を逸してしまいましたが木星の自転アニメーションを作ってみました。

シーイングが非常に悪くぼけぼけの状態で本来なら惑星撮影はあきらめる状態でしたがテストのため無理やり撮影しました。
このソフトで約3時間の間に5分毎に10秒の映像を2日分取得しRegistaxとWindows Movie Makerで処理しました。

アニメーション化の考察
例えば5分毎に2時間撮影すると24カットのaviファイルが記録されます(これでもまだ足りない)。 この映像をRegistaxを使って 24の鮮鋭化されたpng画像にします。(映像が多いほど大変!)
Registaxの使い方がまだ良く分かっていないのですがToolメニューにMacro/Batch windowというのがあるのでバッチで同じ処理を自動で24カットの映像に対応処理できるのではないかと思います。(現在勉強中)
png画像ができたら一連の画像をもう一度Registaxに読み込んでアラインのみを実施します。Create AVIでaviファイルを保存します。これで惑星本体の位置がほぼ合った映像ができます。このままでも良いしファイルサイズを小さくするため GiFファイルに変換しても良いと思います。場合によってはVirtualDubというフリーソフトを使って映像を更に加工しています。(こ のソフト秀逸です)

GiCapダウンロードページ

まだ検証が十分できていないので不具合があるかも知れません、まだ試行錯誤中のソフトであり皆さんの情報(使える/使えない、WebCamや OSなど)をいただけると嬉しいです。

動作環境
Windows8.1、WindowsXPで動作確認 
なるべく早いCPUを推奨します。

2009/11/07 記
2015/04/11 再記

inserted by FC2 system