ピリオディックモーションの測定

以前からやろう思っていたのですがつい億劫で出来ずじまいでいた手持ち赤道儀3機種のピリオディックモーション測定を行ってみました。測定はオートガイドソフトGAGP1を使い当然ガイドなしでモーターまかせの恒星時駆動です。
口径60mmFl420mmガイド鏡+ToUcamProIIにて測定。ズレ1Pixelあたり2.75秒角です。測定した日時と恒星はそれぞれ違いますがなるべく南天の赤道付近の星を使用しました。

まずいつもベランダに設置してあるVIXEN GP赤道儀です。(SS2000駆動)


グラフが斜めになっていますがピリオディックモーションの山と谷の振幅は約10Pixelなので27.5秒=±13.75秒で以前測定したときより悪いですがGP赤道儀としては良いほうではないかと思います。
緑の矢印は約1周期分(10分)の時間を示しています。

次は同じくVIXEN SP赤道儀です(SS2000駆動)。上のGP赤道儀に変わる前に同じベランダで過酷な条件下で使われていたものです。


こちらはなんとGP赤道儀より良くピリオディックモーション8Pixelで22.0秒=±11.0秒でかなり良い結果です。カバーを被せていたとはいえ夏の炎天下から台風の雨風にさらされたり搭載重量オーバーな機器を載せてSS2000でガンガン回した割には滑らかなピリオディックモーションで少々驚いています。それにしてもSS2000駆動ではいつもグラフが右下がりなのはSS2000の恒星時駆動が早すぎるのか?

最後はケンコーポータブル赤道儀SKYMEMO NSです。(標準コントローラー駆動)


なんと一番期待していたものがごらんの通りです。ピリオディックモーション20Pixelで55秒=±27.5秒と出ました。これではSKYMEMOの名が泣くというものです。昔の天文誌のテストリポートではたしか±5秒と記されていたと記憶していますがそこまで望まなくてもせめて±10秒以下であってほしいと思います。
グラフを良く見ると何かおかしいのに気がつきます。谷から谷がやや長いし波形の再現性に規則性があまりなくグラフの乱れが多いようです。GPとSP赤道儀はウオームギヤーの当りを自分流で散々調整していますがSKYMEMOは今までまったく触ったことはなく購入時のままなのですが内部の状態を調べる必要がありそうです。後日何か分かりましたら報告したいと思います。

余談ですがスカイメモの極軸望遠鏡は北極星を含む3星を使って合わせるので架台の水平だしとか面倒な作業を必要としないのでとても便利なのですが自宅付近では北極星以外の2星がまったく確認できません。結局カシオペアや北斗七星の位置から適当に北極星のみで合わせる結果になりました。

2010/12 記

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