バルブのインターバルタイマー対応ワイヤレスリモコン改造

近年ミラーレス一眼による天体撮影が注目されています。性能は年々デジタル一眼レフに迫る勢いなので小型軽量なミラーレス一眼は今後益々天文ユーザーの支持が増えるのではないかと思います。
しかしながら殆どのメーカーはミラーレス一眼にはデジタル一眼のように外部リモートスイッチやレリーズを取り付ける端子を設けていません。そのため必然的に赤外線ワイヤレスリモコンにたよることになるのですが天体撮影で多用するバルブ撮影では甚だ都合が悪く有線のリモートレリーズのありがたみが身にしみます。主な理由は以下の二つです。

・バルブの開始と終了時の2回リモコンのボタンを押さなければならない。
・リモコンの赤外LEDをカメラの受光部に向けて設置しなければならない。

特に最初の項のためにインターバルタイマーを使う時、たとえワイヤレスリモコンを改造してシャッターボタンからワイヤーを引き出してもバルブ撮影では今までのデジタル一眼レフ用インターバルタイマーが使えません。

と、いうことで今までのデジタル一眼用というか有線のインターバルタイマーのバルブ信号(クローズ接点)をバルブの最初と最後の2回に信号を出すように変換してワイヤレスリモコンでバルブのインターバルタイマーを実現しようと簡単な回路を付加しました。

構成図

信号変換アダプターはインターバルタイマーのバルブオンとオフのタイミングで約0.7秒のオン信号を発生します。
この時間はカメラに合わせてVRで最適値を調整します。

小さな基板に数点の部品を半田付けするだなのだが老眼が進んで・・・
こんな作業で苦労するとは・・・。
←回路図Click
ワイヤレスリモコン側

シャッターボタン及び電池から配線を引き出す。
赤丸の赤外LEDを取り外しケース部に移動。
ケースに移動した赤外LED(赤丸)
隣は外部延長LED用2.5mmイヤホンジャック。

ワイヤレスリモコンと信号変換アダプター回路は電源を共通にしたかったのでプラスチックケースに収納しています。リモコンはSONY互換の3rd Partyものですが小学生用コンパスが入っていたケースがぴったりでした。

 

電源は単四電池2本で3Vですがリモコンのボタン電池は抜いておきます。回路的にはリモコンは常時給電しっぱなしで単独で通常のリモコンとして使用できます。
インターバルタイマー接続時は内部のスライドスイッチをオンにして追加回路に給電する必要があるのですが、動作電流はLEDが発光するタイミングで3mA、待機時0.4mAなのでオンのままでも良いかもしれませんが長時間使用しない時は気分的にオフしておく方が安心できます。
赤外LEDをカメラの受光部近くに設置するためケーブルの先にLEDが付いた延長ケーブルを取り付けられるようにしています。この時本体の(ケースの)LEDはオフになります。

実際の使用形態ですが本体のみで通常のワイヤレスリモコンとして使用できます。外部延長LEDケーブルとインターバルタイマーを使用するとバルブのインターバルタイマー対応ワイヤレスリモコンを実現できます。作例はインターバルタイマーは自作のものですが一般の市販品も使えると思います。リモコンもSONY以外NIKONやCANON、PENTAXでも3rd Partyのリモコンは数百円と安価なものでも利用可能だと思います。
作例では外部延長LEDは自在針金に沿わしてカメラ本体のストラップ金具にクリップで留めています。



2012/11記

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