ナノトラッカー周辺

前々から星景/星野写真を撮るたびににポータブル赤道儀ほどでもなく三脚の雲台が星を追尾するようなもっと簡単なものができないかと考えていた。そんな時に登場したのがMusicBoxやポラリエとかナノトラッカーだった。
特にナノトラッカーはポラリエの半分程度の大きさでまさに雲台が星を追尾するに等しいものだった。こういう赤道儀のようなメカ製品は小型化すればするほど精度を保つのは難しいが、最近のデジカメの高感度化によって露出時間を短縮できるのでそれほど精度が無くても広角ぎみレンズを多用する星景/星野写真では実用上問題は無くなった。

ナノトラッカーを手にしてみると巷で噂されている通り北極星の極軸覗き穴は小さくてとても使う気になれない。というか穴が雲台に塞がれてしまって使えない。
その仕様上広角レンズを数分ガイドするだけなら極軸は大まかに北極方向に向ければ良く、極軸穴は必要ないといえば必要ないがもう少し欲張って標準レンズ(35〜50mm)程度まで使用することを考えると一応極軸を合わせた方が気分的に安心できるので五十歩百歩と思いながらもう少し覗き易い極軸穴を追加することにした。


左下が極軸覗き穴だが、長さ110mmのプラスチックパイプでアルミ板に直角に通してエポキシパテで固定している。アルミ板は何かの廃材で3mm厚くらいだがヘナヘナではない。数箇所に意味のない穴があいているのは廃材の痕跡だ。
ナノトラッカー本体の覗き穴は5mmで実視界約9度だがこちらは内径11mmで約6度弱なので北極星を導入する誤差は少なくなるだろう。

右は極軸北側のアップだが色が同じようで分かりずらいがパイプ内側に蓄光テープを貼り付けている。

アルミアングルは本来55度程度にするべきだが、元々はカメラ三脚による固定撮影用でカメラを天頂方向に向けやすくするために製作したもので、直角二等辺三角形のアルミブロックが手元にあったのでこれを利用して45度のアングルになっている。

北極星が見えない時のために水準器と方位磁石で極軸合わせできるように水準器をナノトラッカー本体に貼り付けている。赤テープは水準器位置再現用マーキング。
これでいつもの行動範囲内であればこと足りるだろう。


使用にあたっては覗き穴パイプは180度回転するので左右どちらでも覗き易い方に固定できる。

極軸設置はパイプの先端から数秒間ライトを当てると蓄光テープが程よく光ってこんな感じで北極星を中心に入れやすくなる。パイプの淵が分からないと空が暗ければ暗いほど中心がわかりにくい。
また覗き穴パイプは三脚雲台からある程度離れていないと三脚が邪魔になって覗きにくい。

この極軸覗き穴が本当にナノトラッカーの極軸(回転ステージの回転軸)と一致しているかは北極星を極軸覗き穴で導入し50倍速で駆動しながら北極星をなべく長焦点のレンズで数分間撮影すれば分かる。(昼間でも遠くの景色を使えば工夫次第で可能だ)


2013/09 記

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