簡易アングルファインダー

比較的簡単に自作でき、それなりに実用になる簡易アングルファインダーです。

材料は古〜い天体望遠鏡に付いていた天頂プリズム(24.5mm)、たしか成東商会のダウエル(DAUERブランド)だったと思いますが知る人ぞ知る懐かしく怪しげな望遠鏡です。それと小レンズ(14Φ、f≒65mm)、適当なアイピース(顕微鏡用22mm)、塩ビパイプ(VP25)の切れ端、アルミパイプ、アルミ板少々というところです。

天頂プリズムの24.5スリーブ(黒塗り)の中にレンズを入れてあります。反対側はアイピースホルダーが付いていたのですがそれを取り去ってその代わりにアルミ延長パイプをねじ込んでいます。そのままではアルミパイプと顕微鏡アイピースのスリーブ径が合わないので紙を重ねてパイプを作り両者を接続します。塩ビパイプの中に天頂プリズムのスリーブ(黒塗り)がきっちり入り自由に回転します。回転時適度な摩擦が得られるように樹脂シートを詰めて調整してあります。スリーブは差し込んであるだけですがこの摩擦力によって自然に抜け出てくることはありません。塩ビパイプのアルミ板はカメラのホットシューに取り付けるためのものです。


↑カメラに取り付けた状態です。アイピースは360度回転するのでどの方向からでも覗けます。天頂付近の天体を導入する時の辛い姿勢から開放されます。

↓肝心の見え方です。

左側がノーマル、右側がアングルファインダー装着時ですがAPS-CサイズのEOS Kiss DNで全視野の80%は確認できます。但し左右は反対に見えます。ここら辺が簡易たる所以ですが天体用なので気になりません。倍率は画像の大きさで測って約2.8倍です。写真は同じ倍率(ズーム)で撮った結果ですが眼視ではこれほど大きさの差は感じられませんがピントは格段に合わせやすくなります、但し筒先照明などでスクリーンのAFフレームも同時に見えるようにしながらピント合わせした方が良いと思います。
これで恒星を使ってピントを合わせ撮影画像を確認するとほぼ一発で決まります。ピント位置は神経質になればいくらでも気になる所ですが私的にはこれで充分な気がします。

上記のものはだいぶ前に作ったものですが最近もう1個作ってしまいました。
こちらはプリズムハウスも手作りで1mm厚塩ビ板で出来ています。薄くて強度的に不安があるように感じられますが要所を接着するとかなりの強度があります。背面のみ接着せずにセロテープで貼り付けています。更にこれはプリズムでなくミラーを使っています。カメラへの装着は本物のアングルファインダーと同じようにアイカップのところに取り付けられるように塩ビ板を加工していますが加工精度が悪くガタが発生します。ここは金属などの方が良いようです。

このレンズは焦点距離約50mmでアイピースはこれも顕微鏡用22mmで倍率約2倍です。
視野は100%で一応ファインダー内情報エリアも確認できます。(左右反対ですが)

手持ち撮影のため手ぶれしてしまいました。→

最近使わなくなった24.5mmサイズの天頂プリズムとアイピースを使いスリーブの中にレンズをいれれば殆んど改造なしに製作可能です。レンズは昔のHMアイピースから取り出したメニスカスレンズが良さそうです。

2009/05記

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