レーザーコリメーター

以前から作ろう作ろうと思っていたレーザーコリメーターですが最近になってやっと製作することができました。
半月状にカットされている部分はレーザー光の反射を確認する穴です。内部の反射光確認面は良く見かける45度に傾いた平面ではなく反射光が確認できれば良いので垂直面です。円形のエンビ板なので製作作業はずっと簡単になります。


使用したレーザーモジュールは秋月電子通商のLM-102-Bという650nmのモジュールです。
これを30mmアルミパイプの中に入れてパイプの中心からレーザーが放射されるようにしています。右の図が内部構造で鉄板のベースに貼り付けたレーザーモジュールはエンビ板に接する1点をピボットにして押しネジとスプリングでレーザーの照射角度を調整できます。こうすることで照射角を変えてもレーザーはコリメーターの中心をずらすこと無しに照射されます。

 


接眼スリーブ側は31.7mm接眼部に合わせるため0.5mmアルミ板を巻いてさらに薄いテープ(テプラ)でガタがでないように調整しています。この部分は使用する接眼部でガタがなくスムースに回転できないと使い物になりません。実はこれの前にフィルムケースで製作したのですが軟らかくガタもとりきれないので使用に耐えませんでした。


鏡で反射させて戻ってきた光を確認しているところです。

実際は数メートル離れた壁などに照射して回転させても
ずれないように光軸を調整します。

作ってはみたものの
20Cmシュミカセに使ってみました。
ニュートン反射などを調整するときは上のようにレザーは光軸上を進むようにコリメーターを調整しておかなければならないのですがシュミカセでは副鏡が球面なのでニュートンのような調整はできません。そこでレーザーの照射角度をわざとずらせて副鏡で反射したレーザー光が主鏡で反射し補正板へ逆戻りするようにしてコリメーターを接眼部の中で回転させれば副鏡の中心ずれ(変心)が分かるはずだと考えました。
下は90度ごとにコリメーターを回転させて補正板を通過するポイントを撮影し4枚を合成したものです。写真では分かりづらいですが白紙に描いた円を基準にしています。

左は数日前に実際の星像で調整したものですが基準円から僅かにずれています。そこで今回このコリメーターで副鏡の3本ネジを調整して右の状態に再調整したのす。
これで完璧になったはずだったのですが・・・

後日実際の星像で確認するとありゃー??という状態でした。シュミカセの調整は副鏡の3本ネジか副鏡を含めた補正板の位置の調整しかできませんが今回の方法ではどちらを調整すべきか分かりません。したがって副鏡の3本ネジで調整したのが間違いだったのかもしれません。現時点では実際の星像で調整するのが確実のようです。
ニュートン反射ならコリメーターで調整すれば実際の
星像で調整したのと同等かそれ以上の精度が得られるのか、或いはやはり最終的には実際の星像にたよらなければならないのか? もしそうならレーザーコリメーターが高精度調整ツールのような思い込みを捨てなければならないが実際はどうなんだろう?

2010/11記

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