最近天文雑誌やWebを見ているとデジカメによる惑星写真を多く見かけるようになりました。
そこで私もデジカメで惑星写真に挑戦しようと色々なホームページや会議室を参考にしてCASIOのQV-8000の中古を入手しました。
早速PL26mmアイピースをQVに取り付け20Cmシュミカセにセットして土星を撮影してみました。
結果、11月のシーイングの不安定な空でしたが今まで銀塩ではえられなかった写りがテスト撮影で簡単に得られました。やはり高速の(銀塩とくらべて)シャッターが切れるからだと思います。(QV-8000の使用感はまたの機会に・・)
で、今まで使っていたClip-it DS-7 (FujiFilm)が余ったわけでこれをどうするかと考えていたとき、名古屋の池村氏が改造Picona(NEC)ですばらしい惑星写真を発表しているのを知りました。
それはデジカメに一般的なコリメート撮影でなくレンズを取り外した拡大撮影法によるものなのです。
すなわちCCDカメラと同じです。カメラレンズを通らない分、像の劣化は少ないはずですし、光量損失も少ないはずです。
中古のPiconaを購入して・・・という手もありますが、とりあえず手持ちのDS-7
でもレンズさえ外せれば何とかなるだろうと思ったのです。
前置きが長くなりましたが早速DS-7を分解することにしました。
このホームページつくりに「長い間貢献してくれてありがとう」などと感謝しつつ、もしかすると再起不能になることを覚悟して外側から見えるすべての+ネジ5本を取り外しました。
本体はレンズ側とディスプレイ側の二つが合わさってできているので小さ目の−ドライバーで合わせ目をすこしずつ抉じ開けます。すると下の写真の様に二つに開くことができます。
また、撮影に使った望遠鏡は20Cmシュミカセ+Vixen LV12.5mm 合成F約66 です。
[A]、[B]とも改造DS-7のオリジナル画像で640X480の画像をリサイズしただけでなんの処理もしていません。
[A]は赤外カットフィルター付きで光量不足のためその後の画像処理に向きません。[B]は赤外カットフィルターを外したものですが、光量は[A]の倍くらいありますが赤みの強い発色です。私はStellaimageのLab色彩調整で調整しましたが、これが一番簡単で、他の画像ソフトのRGBカラーバランス調整では思うようにいきませんでした。ライトフレーム処理をするとよいかも知れません。
[C]が[B]の画像10枚をStellaimageでレベル補正とLab色彩調整してTsupondさん作成のフリーソフトAstro-imagingでウイナーフィルターをかけコンポジットしたものです。改造Piconaには及びませんがなんとか実用になるレベルだと思います。
最後に
DS-7の液晶画面に映る惑星像は1/60秒のVideo画像なのでとても暗く、ピントを合わせるどころか対象を確認するのも辛いので外部モニターを使うことをお勧めいたします。
さらに対象天体を画面に導入することも結構至難の技ですので撮影アダプターを自作しました。
Piconaは10BitのRAW画像が得られるようですがこの改造DS-7は圧縮率の高いJPEG出力のままなのでどうしても色情報が失われがちです、口径の大きな望遠鏡で画面いっぱいに拡大して平均的に光量を与えれば良いかも知れません。
上記のAstro-imagingはPiconaの処理用につくられたようですがBMPに変換すれば機能満載ですばらしいフリーソフトです。