ビノチェアー(Bino Chair)の製作

今年の夏も猛暑が続き工作が捗らずホームページの更新が滞ってしまった。
例年なら猛暑も中休みがあったりしたものだが今年は連日猛暑日で屋外での作業が日が落ちてからの夕暮れの時間帯に制限されてしまった。年々夏が暑くなっている気がするがこれも温暖化の影響だろうか。50年後といわず10年後はどうなっているだろうか今の子供たちが大人になる時代どうなっているか心配だ。

で、本題は。
今年の夏休み?の工作は10cm双眼鏡で全天楽に観望できる台座というか椅子の試作です。

10cm4.5Kgの双眼鏡は手持ちでは不可能で当然三脚が必要となりますが直視タイプの双眼鏡では天頂付近の観望では辛い姿勢を強いられることになります。
ならば45度や90度俯角タイプの双眼鏡にすれば良いのですが、自分の顔が向いている方向と実際に見ている方向とが一致しない観望ではどうも体で感じる宇宙に違和感があります。これは個人的なことですが自分にとって双眼鏡で見ることは観察ではなくあくまで宇宙と対峙した観望なのです。見る対象は何でも良いのですが肉眼では味わえない無数の星、キラキラ輝く散開星団や静かにたたずむ星雲など、ある意味迫力ある星空を、宇宙を体感しながら楽な姿勢で見たいと思っています。

こんな感じで観望します。重い双眼鏡を保持する脚立のような骨組みになっています。観望するにはちょっとコツがいりますが慣れれば比較的に楽に観望できると思っています。こういう椅子に座って辛い姿勢はやはり天頂付近の観望ですが頭の重さを枕で支えることによってかなり楽になります。頭を支えないと数秒で首が痛くなり観望どころではありません。
双眼鏡の架台としては少し大げさですが7cm以上では手持ちは不可能です。この観望台座で安価な10cmでも口径はそれなりなので迫力ある星空を楽しく観望することができます。

自分の身長、体系に合わせて作ったので自分は良いのですが他人ではちょっと調整が必要です。下写真は少し身長のある人で椅子の前のほうに腰掛けてもらっています、小柄な女性などではクッションを入れて座面を高くする必要があります。このへんは万人に対応できるようにもう少し工夫が必要かと思います。いずれも双眼鏡の回転支軸が耳の後ろ辺りに一致するように座る必要があります。


野外で使用するためコンパクトに折りたたんで運搬しなければならないので重量も極力軽くなるように、試作品ということもあって細めの木材を使用しています。強度に少し不安がありますが体重〜65Kg程度までなら問題ないと思います。

下は車から降ろして組み立てるまでの工程です。

1.車から降ろした全構成物。12mm厚コンパネの上にキャスターのついた水平回転板を乗せます。
2.脚立風双眼鏡支脚兼椅子を乗せます。
3.双眼鏡保持アームを乗せてヘッドレスト兼背もたれを差込ます。
4.最後に双眼鏡を固定してゴムバンド(バランスウエイト代わり)を取り付けます。
この間1,2分で組み立て撤収ができます。


各可動部です。



1.水平回転
2.垂直回転
3.目と接眼部距離調整
4.目の高さ微調整
5.ヘッドレスト首支え高さ調整(固定可)
6.座面折りたたみ


バランスゴムバンドによって指一本で双眼鏡を上下できます。
回転椅子のように足で地面を蹴って水平回転します。

座面を折りたたむことによって単独に別の椅子を置いても良いです。
その場合ヘッドレストが使えないので別のヘッドレスト付の椅子が必要です。

まだまだ改良すべき点は多々あります。
全体がリクライニングすればなお良いのですが構造が複雑になるので今後の改善課題としておきます。あと電動化して、可能なら自動導入もできるようになればきわめて快適な観望台座になると思います。それには理髪用の椅子が最適なのですが・・・。


2012/09記

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