FOCUS CHECKER

概要
デジカメで撮影した画像のFocus具合を確認するため、画像の一部をパソコンに拡大表示して望遠鏡や写真レンズのピント位置を探るためのものです。
デジカメから転送されるホルダーを監視して1枚撮影するたびにその画像の一部を切り出して順次表示します。これによって光学系のFocus位置を判断します。
私のCANON EOS KISS DIGITALを前提に書いていますが他メーカーのデジカメも使用できるはずです。(他機種は検証していません)

準備
メーカー付属のRemote Capture(CANONの場合)を立ち上げパソコンに転送するフォルダーとファイル名を設定しておきます。ファイル名は接頭文字+最低3桁の数字でなければなりません
適当な恒星をファインダー中央に捉えて大まかなピント調整して最低1枚以上の撮影を行っておきます。露出時間は光学系の明るさにもよりますが数秒〜数十秒で良いと思います。更に画像の転送時間を考えてMidleNormalかSmallFineが良いと思います。(ファイル形式はJPG又はBMPでRAW、FITS画像は扱えません) 当然赤道儀は追尾しておく必要があります。

FOCUS CHECKERを起動


[基本操作]
FOCUS CHECKERを起動すると最大画面で開きます。

画面下の方にあるのは操作ボタンと入力ボックスでその上部が画像表示部となっています。

「Sampling」ボタンを押すとファイル選択ダイアログが現れるので、RemoteCaptureで設定したフォルダーにある先ほど撮影した画像ファイルを基準画像として選択します。(通常一番最後のファイルです)

ファイルを選択すると等倍で画像表示部に表示されます。同時にマウスポインターのところに正方形の枠が現れます。
これはこの範囲を次からの画像の切り出し範囲基準に指定するものです。この範囲は↑↓キーで拡大、縮小し単位はPixel X Pixeの正方形です。同様に←、→キーでZoom倍率が増減します。画面下のSamplingArea,Zoomにも反映します

画像の中のピント合わせに使う星を囲んでマウスを左クリックして範囲を確定します。範囲があまり狭いと長焦点レンズでは時間とともに星が範囲から外れることもあります。

マウスの右ボタンを押すとこの画像を中止します。

基準範囲が確定するとその画像がZoom倍率に従って画面左上部に表示されます。SamplingAreaが100PixelでZoom倍率が2なら200X200Pixelで表示されます。
選択が気に入らなければマウスの右クリックでもう一度選択をやり直すか、OKなら「Start」ボタンを押してホルダー監視を実行します。

撮影はRemote Captureからでも良いし、直接カメラのレリーズを押してもかまいません。Remote Capture画面が邪魔になるので邪魔にならない場所に移動しておきます。

後は撮影されるたびに指定された部分が切り出されて表示されます。この時Memoにチェックが入っているとFocus目盛の数値などちょっとしたメモを記録できます。

1画面で表示できる枚数は基準範囲(Pixel)XZoom倍率で決定されます。従って基準範囲、Zoom倍率が大きいほど表示できる枚数は少なくなります。
画面がいっぱいになると上書きして続行するか中止するかのダイアログが開きます。「Close」ボタンを押すと設定を保存して終了します。

上の絵はスクリーンキャプチャーしたものを縮小しているので見にくいかもしれませんが少しづつ焦点をずらして撮影している様子です。
あともう少しというところですが、合焦の判断は反射鏡の場合はスパイダーの回折像にたよるか屈折の場合には星像のシャープさを自分で見極め妥協点を見つけることになります。

Focus評価
星像のシャープさをソフト的に定量化したFocus評価を行うことができます。

Estimateにチェックを入れると合焦の具合を数値的に表示します。ファイル名の下に表示している数字がそれで、数値が大きいほど焦点が合っているといえます。これは焦点が合っているほど星像は小さく、星の中心輝度は高いはずという考えに基づいています。

Graphにチェックを入れると星像の輝度レベルをグラフで表示します。これは星像の中心をスライスして得られるピクセルの輝度値を表しています。
このグラフの立ち上がりが鋭いほど焦点が合っているといえます。


いずれの場合も相対的なもので前後のの画像と比べてどうかを判断する必要があります。従ってFocus以外は同一条件で撮影する必要があります。また星像はあまり飽和していない星を選択します。
反射式のスパイダー回折像が強い星像では星像の中心位置判定で信頼性に欠けますが回折像が分からない程度ならOKと思います。
また、星が暗すぎる、バックグランドが明るすぎる、選択範囲内に2つ以上の星がある、範囲内にホットピクセルがあるとうまくいかないことがあります。
グラフはRGBの順番に描いていますのでRGBの輝度値が同じ場所は最終的にB(ブルー)で上書きされます。

RGBラジオボタン
通常はRGBを指定しておきますがHaやR64フィルターなどを付けて撮影することを想定して単色画像も表示できます。R、G、Bのどれかを指定して撮影すると指定された単色画像だけを表示します。これはRGB画像から単色画像を取り出しグレースケールで表示するため少し時間がかかりますが指定した単色光でのピントあわせが可能です。特に色収差の多いレンズによる単色光撮影には有効かと思います。


またRGBの指定にかかわらず最後に表示されている画像に限ってキーボードからRGBを切り替えることもできます。キーボードの「ESC」「F1」「F2」「F3」がそれぞれ「RGB」、「R」、「G」、「B」に対応しています。例えばRGBで撮影してちょっとだけR画像を確認したい時は「F1」を押せばR画像が表示され評価もR画像で再評価されます。(RGBの時はRGBの平均値で評価されます。)この時画面下のラジオボタンも連動していますのでそのまま次の撮影をするとR画像が表示されます。RGBで撮影するのであれば「ESC」を押してRGBに戻してから撮影します。


最終的にはやはり自分の判断で合焦ポイントを探すわけですがFocus評価はどちらか迷う場合の参考程度とお考え下さい。

後は本番撮影を行いますが今一度撮影条件(RAW、Large/FineとかISO,露出時間・・・)を確認します。特に屈折望遠鏡にスパイダーを取り付けた場合は注意が必要です。←これよく忘れるので・・・・

Tips
このプログラムはファイル番号の下3桁だけしか見ていません。従って例えばIMG-00999の次のファイルはIMG-01000ですがプログラム上ではIMG-00000となっていつまで待っても表示されません。この番号が途中に入らないよう注意が必要です。
V2.1からはファイル番号は数字の連番になっていれば良く***001.jpg、***002.jpg、〜***010.jpg、とか*****1.bmp、*****2.bmp〜*****10.bmp或いは080530001.jpg、080530002.jp〜080530010.jpのように全部数字でもOKです。(*:任意の文字) これによってビットラン冷却CCDが出力するBMP形式のファイルも扱えると思います。(2008/05追記)

Remote Capture経由で撮影する場合はF1、F2、F3はRemote Captureのホットキーと競合するかも知れませんので今のところRemote Capture側の設定で対応して下さい。
過去に撮影した連続番号のファイルがあればシュミレートすることもできます。ファイルフォーマットはJPGだけでなくBMP、GIFも扱えます。

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本プログラムを使用することによる如何なる損害、不具合についても、一切責任を負いません。
未熟なプログラミングのため条件によっては不具合があるかも知れません。(対応できるか分かりませんが報告を頂けると嬉しいです。)
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