今更ながら
CANON EOS KISS DN赤外カットフィルター換装記

年末大掃除していたら机の引き出しから光映舎のHa透過赤外カットフィルターがでてきた。しばらく天体写真から遠ざかっていたので忘れかけていたのだ。自称自作派としては意地でも他人に頼めないし(本当は安価に済ませたいだけ)在庫限りで無くなるという噂もあって自力換装するべく購入しておいたものだ。(2009/01現在まだ有るようだ)
その後天文ソフト作りで遊んでいたのですっかり天体写真の熱意が褪めてしまった。今となっては根気も気力も薄れ老眼も手伝ってやる気が起こらないのだがこのまま無駄にするのも勿体無いので正月休み最後の日に意を決して実行することとなった。

以前から海外のサイトでは多くのデジカメ機種の改造記事が紹介されているが今回はその中で紹介されているCANON EOS KISS DN用のRebel XT (350D) の記事を参考にしている。一応紹介されている手順書通りに進めていけば良いのだが再トライしなければならないかも知れないので気が付いたことや注意点を補足しながらその過程を記録しておく。


準備
手順書をプリント。
小物ケース(小ネジ分類用)
精密ドライバー+−
ピンセット
カッター

バスコーク(黒)他




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いよいよ解体開始
当然バッテリー、記録媒体は外しておく。
時計用リチューム電池も忘れないように!


手順書通りに外側のネジを全部外し下側から少しづつ開いて行くと背面液晶部が外れた。

ネジは元の位置に戻せるように区分しておく。

赤丸印の部品がポロっと外れるので注意。

黄色いテープをはがし2ヶ所のコネクタ(赤丸→)を外すと背面液晶パネルが分離できる。
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コネクタはいずれも茶色又は黒のツメ部分をマイナスドライバーの先ではね上げると外れる。

シールド板の半田(青矢印)は同時に数ヶ所熔かさないとダメかと思ったが一ヶ所づつ熔かして行けば良い構造になっていた。

シールド板が外れた。

なんと!赤矢印のコネクターに「ゴミ56XY」と書かれていた。前所有者がCANONにゴミの清掃に出したようだ。どうりでシールド板が指紋だらけな訳だ。


手順書にしたがってコネクタを全て外す。右側の赤い線が繋がっているコネクタは引き抜くのではなく上に持ち上げたら取れた。

手順書の順番通りではないがここで前カバーを外す。
三脚ネジをくぐらせないと外れない。

IOポートカバーを1,2の順に外す。2は少しきつい。


大きな電解コンデンサーが見える。ストロボの高圧電源だろう、その辺りを触らないように注意。

基板は1ヶ所コネクターで接続されているのでめくり上げておく。

やっとCMOSセンサーにたどりついた。

CMOSセンサーを取り出したら、深呼吸。

周りをもう一度清掃してここからが本番だ。

フィルター枠は両面テープでCMOSセンサーに付いているのでカッターでそっとはがす。


CMOSを傷つけないように慎重に。 ガスケットはセンサー側に残った。

フィルターは表側が赤い。

表側の黒マスク。フィルム状でごく薄い。
これもカッターを入れて剥がすのだが2ヶ所に切れ込みが入ってしまった。ドライヤーで暖めながら剥がせば良かったか?

黒い充填剤をカッターで切り、レンズクリーンクロスを挟んで力が一ヶ所に集中しないように裏側から押し出すと無事外れた。

外したフィルターは多分もう使わないだろうが一応ケースに保管しておく。

CMOSとフィルター面は埃が無いことをルーペで確認してシリコンシーラント(バスコーク)を充填して換装完了!

剥がした両面テープは新しく貼りなおさずそのまま使用した。

換装したフィルターは一回り小さい。


CMOSを戻す。
こう見てみるとCMOSの固定金具(銅版?)を改良するとシャーシーの金属板に放熱できそうだが気休めか?

とりあえず今回はこのまま。

後は逆手順で組み立てれば良いがフレキシブルケーブルの穴に細ドライバーの先を入れて確実にコネクターに差し込む。小さいコネクターはこれが結構難しい。


黒や茶色のコネクターのツメ(赤矢印)を確実に固定する
組みあがったら電源ON!
時間をSETするよう求められるのでSETしたら異常が無いか確かめる。
撮影画像が赤っぽい! OKのようだ。

F数を極力絞って白壁を撮影し埃やゴミの具合を確かめる。

結構注意したつもりだがやはり細かい埃が入ってしまった。

そこまでやることは無いと思ったがやはり入浴してから浴室で作業するべきだったか?

今や冷却デジカメが全盛になろうとしているのに今ごろこんなことして・・・・
第一これから天体写真撮る気があるのか?と自問しつつ・・・・
2009/01/17記

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