2インチアイピースホルダーと天頂ミラー

前回作成した超広角アイピースを20Cmシュミットカセにも取り付けられるように2インチホルダーと 天頂ミラーを作ってみました。

2インチホルダー部   
20Cmシュミカセの接眼マウント部は直径2インチのオスネジとなっています。ここに丁度入る太さのパイプ があると便利なのですが、身の周りになかなか適当なものが見当たりません。例によってホームセンターで エンビパイプの部品を手当たり次第に2インチスリーブと合わせてみました。ようやくTS40・30という 異径ジョイントを見つけました。この40の方が内径約48mmで2インチスリーブより約3mm細いのですが これを使うことにしました。
40の方を約40mmの長さに切断します。更に中心軸と平行に切れ目をいれます。(すなわち断面は "C"状です)
これを押し広げて2インチスリーブ(50.8mm)+αにしなくてはなりません。丁度、整髪料(鐘紡化粧品  EROICA HAIR TONIC)のビンが外径約51mmなのでこれを無理やり押し込んで、約3分間熱湯の中に浸けて おきます。熱湯から取り出し冷水で冷やしてからビンを抜き取ればほぼ内径51mmの形状が維持されているので 2インチホルダーとなります。
これにシュミカセに取り付けるための締め付けツマミ部(これもエンビの切り落としを上の方法で曲げて作 りました)とアイピース留めネジをつけて出来上がりです。シュミカセに取り付け、ツマミを締め付けると 非常にガッチリとして内径も2インチスリーブにぴったり合います。もし、スリーブの抜き差しががきつい ようならシュミカセとの接触面(ホルダー内面)に薄いシートを貼り付けて調整すれば良いでしょう。

天頂ミラー   
材料は写真を見てもらえば分かると思いますが3mm厚の黒色塩ビ板と上記の異径ジョイント及び外径48mm の塩ビパイプです。ミラーはビデオプロジェクターに使われている 88X57 厚さ3mmのものです。
余談ですが、秋葉原のジャンク屋さんで時々こういった中古またはジャンクのプロジェクターやスキャナー を見つけることがあります。ジャンク扱いのものですと破格の値段で手に入れることができます。この時も口径76mm のプロジェクターレンズが目にとまり、分解してレンズだけでも取り出そうと入手しました。分解してみておど ろいたことに数々の光学部品が詰まっていました。主なものをあげてみると、3群郡7枚(?)の電動ズームレンズ、 色フィルター3枚(RGB)、平面鏡(勿論表面メッキ)3枚、偏光フィルター2枚、平凸レンズ4枚、等々・・・
秋葉原や大阪日本橋に行く機会があったら、時々はこういったジャンク屋めぐりをしてみると思わぬ 掘り出し物にめぐり合うかもしれません。

で、黒塩ビ板を写真のようにカットします。直線部はノコギリで切るのではなくアクリルカッターとよばれる ケガキ刃のついたカッターで切るときれいにカットできます。円形カットはホールソーとよばれる木工用の 円形刃ノコギリ(数種類の径が付属)を使うとドリルに付けて簡単に穴を開けられます。 それぞれのパーツを専用液体接着剤(「アクリサンデー塩ビ接着剤」注射針が付属していて狭いところにもしみこませられ 強接着力、短時間接着で ベリグー!)で接着します。ミラーは裏蓋に両面テープで貼り付けていて、あとで分解 できるように裏蓋も接着していません。ここも両面テープで鏡室に貼り付けています。 2インチスリーブ部は外径が50.8mmになるように丸めたアルミ板をかぶせて調整しています。アイピースホルダー部の方は 上記ホルダーとほぼ同じです。

すべてのパーツを組み上げるととても頑丈になり、強度の不安はありません。ただし、光路長をものすごく 必要としますので望遠鏡によってはピントが出ないかもしれません。その点シュミカセは有利です。 ミラーの精度は分かりませんが一応光学部品なので大丈夫だと思います。ミラーさえ手に入ればこんなに簡単に 作成する事ができます。制作費用約¥1,000−(ミラー除く)

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